多くの人々が、人生で最も重要な買い物である家の購入のタイミングについて迷っていることでしょう。
家の購入を考える際には、市況、住宅ローン、会社の補助、家族の状況など、様々な要素を考慮する必要があります。
これらの要素は、特にサラリーマンの方々に関連しているものです。
家の購入のタイミングを決めるためには、これらの要素を自分自身で優先順位付けし、最終的な判断を下すことが求められます。
具体的には、どのタイミングを優先すべきか、いつ家を購入するべきかを知りたいと考えている方も多いでしょう。
本記事では、「家を買うタイミング」について詳しく解説します。
記事を読むことで、家を購入する時期について考えるポイントや、判断材料を得ることができます。
なお、筆者は結論として、「買いたいと思った時に家を購入するのが最適なタイミングであり、多くの場合は家族の状況の変化が要因となる」と考えています。
家を購入するタイミングは市況の状況から判断
家を購入する際のタイミングとして、最近特に重要な要素は市場の状況です。
最近の公益財団法人不動産流通推進センターデータによると、首都圏のマンションや建売住宅の平均価格は年々上昇しています。
マンションも戸建も価格が上がっている現在
特に、首都圏では2013年以降は新築マンションの価格が急激に上昇しています。
グラフから見ると、マンション価格は2016年に一度下がったように思えますが、実際は単価が上昇しているのです。
最近の傾向としては、住宅価格が非常に高騰しているため、小さな部屋でも買うことで総額を抑える傾向があります。
ただし、単価は上昇しているため、住宅価格の上昇はまだまだ続いています。
一方、戸建住宅についても、マンション価格に連れられる形で上昇している傾向が見られます。
マンションが非常に高価なため、一部の人々が戸建住宅や中古住宅に流れ、結果的に全体的な価格が上がっています。
家を購入するタイミングは、市況の状態によって非常に大切な要素です。
一番安い時に購入するのはプロでも困難ですが、高い時に購入を見送ることは誰でもできます。
統計的な数字からも分かるように、2016年時点で、2012年と比較してマンション価格には1,000万円近くの差があります。
たった4年の間に同じような物件が1,000万円も値上がりしているのです。
不動産は金額が高いため、タイミングのズレが負担を増すことにつながります。
1,000万円の価格差は非常に大きいものとなります。
不動産会社は商売をしているため、本当の情報を教えてくれないこともあります。
ですが、私たちは正直に言います。
2023年12月時点で家を購入するタイミングではありません。
現在、住宅価格は非常に高すぎるのです!急がない限り、買う必要はありません。
金利は気にしないほうがいい
反対に、現在は低金利の時代であり、住宅を購入することが容易だという意見も存在します。
しかしながら、実際には金融機関の金利は10年以上にわたり低水準が続いており、住宅価格の変動期間よりもはるかに長い期間、低金利が持続しています。
将来的に金利が上昇するとしても、その上昇幅はごくわずかであると考えられます。
そのため、金利を気にかけずに現在の過熱した市場で不動産に投資することは賢明ではありません。
これまで市況の観点から見てきましたが、次に住宅購入のタイミングについて考える際には、住宅ローンの組む時期が気になる方も多いと思います。
そこで、住宅ローンの観点から見たタイミングについて解説いたします。
家購入は「30歳・35年ローン」がベスト
住宅価格の変動市況には関係なく、自分の年齢も大きな影響を与えます。
もし現金で家を買う場合、年齢を気にする必要はありませんが、住宅ローンを組む場合は、ローンを組むタイミングの年齢が重要になります。
年齢を気にする理由は、住宅ローンの返済を完了する年齢に関係しています。
ベストなシナリオでは、住宅ローンの完済年齢は65歳(年金生活が始まる前の年齢)までになることが望ましいです。
完済年齢からすると30歳・35年ローンがベスト
完全に返済する時期を考えると、35年のローンを組む場合、最も適切な時期は30歳です。
ただし、別の視点で考えると、40歳で住宅ローンを組んでも、65歳で完済することは可能です。
返済額を減らすために借りる金額を少なくしたり、繰り上げ返済をすることや借り入れ期間を短くすることで、65歳までに完済することができます。
ただし、年末ボーナスなども使わず、負担なく返済する方法としては、30歳で35年のローンを組むことがもっとも利晴な方法です。
多くの人は借金を早期に返したいと考えるでしょうし、長期間借りることにはメリットを感じない人もいると思います。
しかし、長期間借りることで、毎月の返済額を少なくすることができます。
その間に貯金をして十分な資金を蓄えることが可能です。
一方、短期間で借りてしまうと、毎月の返済額が増えるため、自由に使えるお金が少なくなってしまいます。
長期で借りることは、銀行が返済待ちしているという意味で、有利な借り方と言えます。
ローンを借りることは実は有利な条件
住宅ローンの返済期間は通常長く設定されています。
このため、お金を早く返済するのではなく、長期間にわたって借りたままにしておいた方が利益があります。
銀行の融資条件では、完済年齢が一般的に80歳となっているため、実際には45歳までなら35年間のローンを組むことが可能です。
しかしながら、年金を受け取る年齢の65歳以降に住宅ローンを返済することは非常に困難です。
65歳以上で住宅ローンが残っていると、退職後の生活が苦しくなる可能性もあります。
そのため、45歳から35年間のローンを組む場合は、繰上げ返済に努めて65歳までに完済する必要があります。
このような厳しい返済状況になるため、住宅ローンを組むのであれば、早めに組むべきです。
新婚で家を買うかどうか迷っている方もいらっしゃるかもしれませんが、住宅ローンを組むという点では、むしろ新婚で家を購入するべきです。
もし親が反対しているようでしたら、「住宅ローンは早めに組む方がお得であること」を説明し、理解してもらいましょう。
会社の手当が厚い人は注文住宅
大手企業の社員であれば、会社から住宅補助として社宅や家賃補助を受けることができます。
住宅補助が終了すると、翌年からは住居費がかなりの負担となるため、そのタイミングで家を購入することを考える人もいます。
ただし、住宅補助の内容によっては、ギリギリまで住宅補助を受けるか、気にせずに購入するかの判断をする必要があります。
たとえば、家賃補助が月に1万円しか出ない場合、実際にはほとんど補助にならないので、自分のタイミングで購入することも考えられます。
一方、家賃補助が毎月7〜8万円出るような会社であれば、慎重に判断する必要があります。
また、社宅に関しても、ギリギリまで社宅に住むか、早めに出るかの判断が分かれます。
ギリギリまで社宅に住むと、住宅ローンを組む年齢が遅くなることもあるため、デメリットも考慮する必要があります。
住宅補助が充実している人は、注文住宅を購入することをおすすめします。
注文住宅は、土地と建物を別々のタイミングで購入することができるため、住宅補助が充実している人に向いています。
注文住宅なら、まず土地だけを先に購入し、社宅に住んでいる間は土地のローンのみを返済します。
その後、社宅を出るタイミングで建物を購入します。
新たなローンは建物のみで、すでに土地のローンが減っている状態ですので、有利です。
一方、マンションや建売住宅は、一括でローンを組む必要があるため、ギリギリまで社宅に住むことのメリットがあまりありません。
しかし、注文住宅なら、ローンをタイミングに合わせて組むことができるため、住宅補助を受けている人なら、そのメリットを最大限に活用することができます。
なお、注文住宅で土地を先行で購入する場合のローンは「つなぎ融資」と呼ばれます。
建物の建設が完了した後に組むローンは、住宅ローンというものです。
ただし、建設期間中に必要な資金を一時的に貸してもらう「つなぎ融資」という手段もあります。
ただし、つなぎ融資は金利がやや高い傾向にありますので、その点には注意が必要です。
タイミングは「家族数の変化」
不動産市況の変化について気になり始めると、正直に言って、いつ購入すれば良いのか分からなくなります。
もしもタイミングを逃してしまうと、不動産価格が再び上昇する可能性があります。
不動産業界ではよく言われていることは、結局のところ、「購入したいときに購入するのが一番」という点です。
業界の専門家たちでさえ、住宅価格の上がり下がりの予測ができないため、多くの人々が購入したいときに購入するしかないという結論に至っています。
では、購入したいときとは、具体的にはいつなのかという点も重要です。
一番影響を及ぼすタイミングは、家族の状況の変化です。
例えば、結婚や出産、親の介護、子供の学校の入学、転勤など、家族に変化が生じたときには新しい家が必要となります。
このような家族の変化のタイミングは、不動産市況の変化とは独立して訪れるものです。
この2023年12月時点では、住宅価格が高すぎて購入すべきではないと説明しましたが、もしも家族が新しい家を必要とするタイミングであれば、やはり今でも購入するべきです。
自分たちが優先したいことが今なのであれば、今購入するしかありません。
オリンピック後には不動産価格が下がると言われていますが、本当に下がるかどうかは誰にも予測することができません。
オリンピック後まで待つことができない事情があるのであれば、結局は今購入することが最善の選択となるでしょう。
年齢に関しても、30歳を過ぎている方は多いと思います。
住宅ローンの適切なタイミングを逃してしまっているという場合には、家族の事情を考慮し、今必要であれば今購入するのが良いでしょう。
まとめ
家を買う最適な時期を考える際に重要な4つのポイントを詳しく解説してきました。
結局のところ、家を買うタイミングは個人によって異なりますが、自分が本当に欲しいと感じるタイミングで家を買うことが最も良い選択です。
もし何か深い渇望がないのであれば、今すぐ買ってしまうと後悔する可能性があります。
迷いが少しでもある場合は、購入するべきではありません。
周りの人々からはさまざまな意見が出されるでしょうが、自分の心の声を聞いて「今しかない!」と感じたタイミングで家を買うことが望ましいです。